【実施の背景】

令和6年4月の障害者差別解消法が改正され、いわゆる「合理的配慮」が民間事業者にも義務化されました。法律が制定されたから1年がたち、障がい当事者が、「合理的配慮」をどう感じているか探りました。

 【調査対象者】

全国の「Co-Co Life☆女子部」サポーターおよび読者

 【調査方法】

インターネットアンケート調査

 【調査期間】

2025年6月1日~10日
有効回答者数:48名

 【調査結果サマリー】

  • 「合理的配慮」という言葉をよく知っている:56.3%、聞いたことがある:37.5%
  • どこからか合理的配慮なのか線引きが分からない:79.3%
  • 実際に合理的配慮を受けた経験がある:58.3%
  • 2024年4月の法改正による合理的配慮変化を感じない:79.2%
  • まだまだ合理的配慮は相互理解が必要

調査回答者属性

◼︎年代

◼︎お仕事の雇用形態

◼︎障がい内容

身体障がいから、精神・知的障がいまで、さまざまな障がい・難病の方に回答いただきました。

合理的配慮の状況

◼︎「合理的配慮」という言葉を知っていますか?

◼︎合理的配慮を感じるのはどんな場面(満足・不満とも含め。複数回答可)

◼︎どんな場面で「合理的配慮」が必要だと感じますか?(複数選択可)

◼︎合理的配慮についてよく分からない方はどんな部分がわからないですか?

◼︎実際に合理的配慮を受けた経験がありますか?

◼︎受けた経験がある方、それはどんな配慮でしたか?

  • 雪の日遅刻して出勤(40代・大腿切断)
  • 職場での勤務形態などで配慮を受けました。車椅子でも動ける環境を整えてくださったこと(20代・顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー)
  • 飛行機が苦手で、過呼吸の発作が起きることがあり、航空会社のスタッフさんに相談したところ、機体前方の席に変更してくださり、出入り口が近いので不安感が減ったり、スタッフさんのサポートが受けやすくなりました(30代・統合失調症)
  • 電車の利用時に駅員さんがスロープ対応をしてくださり、車椅子でも安全に乗り降りできました(30代・先天性ミオパチー)
  • 入店する時に段差を越えるために店員さんが車椅子をサポートしてくれた(40代・体幹機能障害)
  • 会社のトイレ。車いす用が無かったが入社の際に作っていただいた(40代・脊髄損傷)
  • 時短勤務に応じてくれたり、重たい物は持てないと伝えていたため、重たい物は同僚が持ってくれたりした(30代・慢性特発性偽性腸閉塞症)
  • JR京都線の満員電車内で苦しくて呼吸がままならなくなり始めても周りに見せないように耐えている時、ヘルプマークを見た男性から席を譲っていただけた(40代・統合失調感情障害)
  • エレベーター乗車順番を譲ってくださる時、エレベーター内の乗車スペースをあけてくれた時(50代・頸髄損傷)
  • 高速バスで乗り降りしやすい座席を指定してもらい、優先的に降ろしてもらえました(40代・視野狭窄)
  • マスクを外して口の動きを見せていただいた時と速やかに筆談ボードを出してくれた時です(50代・感音性難聴)
  • イベントで、階段しか入口無くて、すぐにフラットな裏口案内して下さった(50代・左片麻痺)
  • 長時間、立ってイベントのお客様の対応が難しいので、イスに座っての対応に変えさせてもらいました(40代・股関節障がい)
  • 美容院でのシャンプー台移乗は夫の介助だったが、その様子を見た美容師さんが、「私がそれをやっても大丈夫ですか」と申し出て下さった。夫が美容師さんにやり方を教え、その次からは夫がついてこなくても一人で行けるようになった(50代・四肢痙性不全麻痺)

◼︎配慮をお願いしづらかった場面があれば教えてください

  • 飲食店でのイスを退かしてくれること。乗り移ります、と言えずにいたことですね。あちらも親切心でやってくれているので、言い出しにくいです(50代・体幹機能障害)
  • 精神障害は見えない障害なので、自分の困りごとを言葉にして伝える必要があります。どういう配慮を受けられるとより快適に過ごせるかを言葉にするのが難しかったです(30代・統合失調症)
  • 車椅子では自力で乗り降りできない段差が1段ある飲食店を利用したかった際、店員さんにお願いしてもよいものか迷いました(30代・先天性ミオパチー)
  • 混雑してる電車内(40代・重症筋無力症)
  • マンションのエレベーター工事の時(40代・脳性麻痺・発達障害)
  • 一度断られるとお願いはしにくくなります(30代・重度のうつ病、広汎性発達障害)
  • 重たい物は持てないと伝えていても、なかなか理解してもらえず、最初は頼みにくかった(30代・慢性特発性偽性腸閉塞症)
  • 声をかけることが1人ではできない(40代・統合失調感情障害)
  • お店の人などが明らかに忙しそうにしている時(40代・四肢機能全廃/遠位型ミオパチー)
  • 電動車椅子ユーザーですが、電車の中で車椅子のスペースの車両と位置を選んで乗るが、既に乗っている人がその場所を譲ってはくれないこと。譲って下さいなんて言える空気じゃない(40代・混合性結合組織病 ADHDなど)

◼︎2024年4月に障害者差別解消法が改正され合理的配慮が民間企業にも義務化されました。法改正で合理的配慮について変化を感じますか?

◼︎感じると答えた方、具体的にどんな場面で感じたか具体的に教えてください

  • 会話の中で自然と合理的配慮という言葉を聞くことが増えた気がします(20代・顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー)
  • 合理的配慮とユニバーサルデザインを間違えて理解しているかもしれませんがスマホは特殊なアプリを入れなくても読み上げ機能があったり、スイッチでの操作ができる様になっているのはすごいと思いました(30代・ADHD)
  • 毎月不便が無いから確認してくれる。人付き合いについても配慮してくれる(40代・脊髄損傷)
  • 飲食店などに入ったときに、「お席をご用意しますね」と言われ、その席に案内されたときは椅子を一つ避けて席を空けておいて下さるのがどこでも当たり前のようになっている(50代・四肢痙性不全麻痺)

◼︎法改正されたのに、まだまだダメだなと思うことがあれば、具体的に教えてください

  • 仕事の時に困ることしか考えられていない。障害ゆえの通院、疲れなどへの理解はまたまだ(40代・精神疾患)
  • 精神障害に差別・偏見がある(40代・精神疾患)
  • 車いすで雑貨店等に入れないこと(50代・四肢筋力低下)
  • 仕事で、配慮します、とは言ってもらえるが、受ける側もどんなところを配慮してもらいたいのか、をうまく伝えられない事によって、配慮を受けられない、もしくは徐々に配慮が無くなっていく(30代・ADHD)
  • ノンステップバスを運行するバスの運転手さんの車椅子乗客への知識や心構えが不十分だと感じざるを得ない対応をされたことがあり、悲しい思いをしました(30代・先天性ミオパチー)
  • 言葉を知らないひとがまだまだいることと、障がい者のわがままだと捉えられるのではないかという当事者側の問題と両方あると感じる(40代・脳性麻痺・発達障害)
  • 働きたくても、職場までの通勤問題で諦めてしまう。障害者雇用の求人でも、車椅子には対応できないと言われるところが多い(30代・線維筋痛症、筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群)
  • 意識は変化していない。私達のような少数派がいるということを考えたこともない、知らないという場合が多いと感じる(40代・二分脊椎による両下肢機能全廃)
  • 不当な雇止めにあった職場では、健全な企業としての体制整備が不十分で、ハラスメントやいじめに対する認識があまりにも低かった。法改正されても、現場には全然行き届いておらず、教育も不十分だと感じた(30代・慢性特発性偽性腸閉塞症)
  • 日本は言葉の上では「合理的配慮」と使うが、電車やバスの乗り降り一つとっても、そもそも段差があることが配慮がないではないでしょか。電車などホームと電車の段差をなぜ解消しないのか?これが無くなれば、駅員さんの手間もなく、我々も気兼ねなく乗降出来る。こういうことはまだまだたくさんあると思います(50代・頸髄損傷)
  • バスで障害者福祉パス見せた途端露骨に無視する(30代・広汎性発達障害)
  • 私鉄を利用しているが、時間帯によっては駅員対応ができない駅が増えてきた。それに伴い、その時間帯に利用する場合は電話をしなければならないが、その電話番号が050から始まるもので、有料電話であることが信じられない(許しがたい)(50代・四肢痙性不全麻痺)
  • 人事課からどうしてほしいか何も聞かれない(40代・潰瘍性大腸炎、特発性大腿骨頭壊死)
  • お店や窓口対応など末端の従業員には、全く通じない。法務関係や上の人に代わってもらうのも一苦労(30代・両下肢麻痺)
  • ライブやイベントの配慮はまだ、不十分を感じた(40代・股関節障がい)
  • 未だに世の中の人が発達障害について具体的なイメージを持てていない(30代・発達障害(自閉症スペクトラム障害))

女性特有の課題について質問

◼︎「障がいがある女性」という立場で、配慮されにくいと感じることがあれば教えてください

  • 子育てをしていると、他のお母さんと同じことを求められる。PTA、地区役員など(40代・大腿切断)
  • 障害があっても、定型的な女性の幸せのカタチを押し付けられる(40代・精神疾患)
  • 車イストイレに、鏡がなかったり、サニタリーボックスがない所(50代・体幹機能障害)
  • パニック発作や幻聴の症状が出ることがあるので、ヘルプマークをつけています。今まで何度も妊婦さんに間違えられました。障害のため子供は諦めたので、妊婦さんに間違われるたびに悲しい気持ちになります(30代・統合失調症)
  • 二重にマイノリティということで軽く見られがち。生理や結婚、出産について差別を受けがち(40代・体幹機能障害)
  • 体調不良やつかれやすいことについて診断書があるわけではないので配慮されにくい(40代・潰瘍性大腸炎、特発性大腿骨頭壊死)
  • あまりない。むしろ女性の方が配慮してくれる気がしている。男性の方が言いづらい環境にあるのでは?(30代・両下肢麻痺)

◼︎生理・妊娠・育児など、性に関わることに対して配慮を受けた or 受けられなかった経験はありますか?

◼︎上記質問に「はい」「いいえ」と答えた方、どんな経験か具体的に教えてください

  • 薬の副作用で体重が増加してしまい、安全に子供を産めるBMIの数値を超えてしまいました。また、今でも障害の症状が多く出ているので、妊娠・出産は諦めました(30代・統合失調症)
  • 出産後、沐浴指導で中腰の姿勢を取るのが難しかった(40代・麻痺性内反足)
  • 「(障害者なのに)生理あるの?やだ~」とヘルパーさんに生理の介助を拒否された(40代・体幹機能障害)
  • 生理痛が酷く婦人科に通院しています。健常者の友人にピルを飲むと楽になったよ、と聞いていたからです。車椅子というだけで血栓ができる可能性があるから…と処方してもらえませんでした。逆に、足を開くのが大変なのですが、毎年子宮頸がん検査しましょうと言われてしまって辛いです(50代・四肢痙性不全麻痺)
  • 児童相談所に障害者だからという理由で子供を無理やり乳児院に入れられた(30代・広汎性発達障害)
  • 市の福祉施設に職員さん(福祉計画支援員さん)に、結婚するときに「子どもはできないように気を付けないとね」と言われた。今から10年以上前のことだが…(40代・潰瘍性大腸炎、特発性大腿骨頭壊死)
  • 出産時に足が広げにくいので、産みやすいように水の中で産むかなど産婦人科の先生が考えてくれた(40代・股関節障がい)
  • 婦人科検診で一般的な機械で上に上がって足がパカって開く台ではなく、ベッドで検査してくれた。医療脱毛を受ける際恥ずかしくないように配慮してもらった(20代・両下肢機能不全)

まとめ質問

◼︎「こんな配慮があったら助かるのに」と思うことがあれば教えてください

  • 精神疾患の解明と、精神疾患のメカニズムに関する啓蒙と教育(40代・精神疾患)
  • その場に行かないと利用法が分からない場所(トイレや食堂など)の案内を事前にもらいたい(60代・視覚障害2級)
  • 車椅子ユーザーの私は、民間の賃貸物件を最近探していますが、敷地内の共有部分に段差があったり、部屋の中も住宅改修が必要な箇所がある物件の多さを感じています。しかしながら共有部分にスロープを置いたり住宅改修したりすることへの許可が得られない物件がほとんどです。民間の賃貸物件でも合理的配慮を適用いただけると有難いです(30代・先天性ミオパチー)
  • 「配慮」というふわっとしたものではもう世の中は変わらないのではないかと感じている。罰則付きの法制化が必要ではないか?全国統一での車椅子用駐車場パーミット(私の住む県では無い)。大規模店における車椅子・ベビーカー専用エレベーターの設置小規模店であっても新しい店ではできる限りスロープの設置の義務や通路の幅の確保など(40代・体幹機能障害)
  • 直近ではマンションのエレベーター工事の際に配慮されず、取り残され大変困りました。一時的に困った場合、迅速に、一時的に助けてもらえたら良かったのにと思います(40代・脳性麻痺・発達障害)
  • セルフレジが多いところで店員さんが代わってしてもらえれば安心してお買い物に行けます(40代・脳性麻痺)
  • 職場までの送迎支援があれば、就労の機会が増えると思う(30代・線維筋痛症、筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群)
  • 例えば交通に限って言えば、AIや電車アプリなどを駆使して、座れる席があるか事前にわかるようになってほしい(40代・統合失調感情障害)
  • JR山手線、京浜東北線は、今、一人で車椅子でも乗り降りできる場所ができたので、非常に助かっている。少なくとも乗降客の多い路線ではこれが当たり前になってほしい(50代・四肢痙性不全麻痺)
  • 病気による時間短縮勤務があっていい。なぜ子育だけなのか(40代・潰瘍性大腸炎、特発性大腿骨頭壊死)
  • 配慮じゃなくて環境を整えて欲しい。例えば山手線を乗るときに次の電車に乗れるかは配慮ではどうにもならないケースもある。ピンクの段差解消スペースができて自由度が増した(20代・両下肢機能不全)
  • ヘルプマークも今や誰でも持っているように感じる。もっと区分化されてもいいのではないかと思う。身体、内部疾患、精神疾患、など(40代・混合性結合組織病 ADHD)
  • ヘルプマーク以上に発達障害を抱えている事を周囲に知らせる物。一目で発達障害だと解る物(30代・発達障害(自閉症スペクトラム障害))
  • 外国では、イベントやライブは、車椅子席や障害のある方の関は、アリーナ席やステージ前角にあったりする。エレベーターの使用も用意してあり、前日にお知らせもあって、安心してイベントを楽しめた。そういう配慮が増えるといいですね(40代・股関節障がい)

「合理的配慮」の現在地に関するCo-Co Life調査部の見解

令和6年4月から法律で義務化された「合理的配慮」。障がい者雇用を進める企業には欠かせない言葉になりました。就労中の方からは、『天候が悪い日は通勤時間を遅らせてほしい』『体調に合わせた時短勤務を認めてほしい』といった声が寄せられました。

本調査では、当事者からのリアルな声をもとに、合理的配慮への取り組みのヒントを考えます。 

40代、即戦力人材の発掘ができないか 

今回、回答者48名によるボリュームゾーンは40代が半数。続いて、30代、50代、20代の順でした。仕事、育児と日々忙しい中で「これまでの経験やスキルを活かして働きたい」と考えている人が多いことを示唆します。

しかし、下のグラフで見ると、実際に正規雇用で働く人は5人、障がい者雇用での正社員は7人。契約社員やパート勤務もありながら、働いていない状態にある人は13人に上ります。これは企業側から見れば、「十分な実務経験のある即戦力人材を取りこぼしている」状況とも言えます。 

合理的配慮を当事者たちが知らないケースも

アンケートでは、「“合理的配慮”という言葉をどの程度知っていますか?」という質問に対し、このような結果に。一見、認知されているようにも感じますが、わかりにくい表現や曖昧な仕組みにより、現場で十分な発揮ができていないのが見て取れます。

もしかしたら、現在、仕事をしている障害のある人も合理的配慮を知らずに生きづらさを抱えている社会人は多いのではないでしょうか。

合理的配慮とは、単なる福祉的支援ではなく、「働くために必要な最低限の調整を受ける権利」です。
しかし、当事者自身がこの制度の存在や使い方を十分に理解できていない場合、

  • 配慮を求めることができずに離職
  • 無理をして働き続けた結果、体調やメンタルを崩し再起不能

負のスパイラルに陥らないために企業側が必要なことは

  • 採用や面談時に、合理的配慮の事例や相談方法を案内する
  • 「困りごとはないか」と定期的なフィードバック
  • すぐに解決できなくても、共有することが当たり前な企業文化を作る

理想は、たとえ合理的配慮を知らなくても伝えやすい・相談できる」環境が定着のカギになります。

職場で受けた合理的配慮

企業側にとっては「どこまで配慮すべきか」「特別な対応が必要なのか」と構えてしまうケースが多くあります。特別な設備投資などが必要なのでしょうか。

アンケートでは、29名から合理的配慮を受けた経験が寄せられました。
職場環境については以下のような例があります。

  • 車椅子の利用者に対して、段差のある場所にスロープを設置
  • トイレに車椅子対応の設備を新設
  • 出社が負担になるケースでは、オンライン研修に切り替えてもらった
  • 重い物を持てないことを同僚が理解し、日常的にサポート
  • マウス操作が困難な方に、PC周辺機器を会社負担で導入
  • 通勤に配慮し、駐車場を建物入り口近くに確保
  • 時短勤務や柔軟な勤務体系への理解・実施
  • 「どんな障害があるか」を丁寧に聞いてもらえたことが大きな安心感につながった

特に目立ったのは「移動や使い勝手の環境改善」への対応で、本人たちからは感謝の声が多く上がっています。社内のトイレを多目的用にするには、大きな設備投資が必要かもしれませんが、すぐにできることとしては目の前の困りごとに関して、まず耳を傾け、寄り添う姿勢が大切です。

適切な配慮が行われることで、離職率の低下・生産性の向上・従業員満足度の向上といった企業側の利点も明確です。

お願いしたけど無理だった“配慮の壁”

合理的配慮は当事者の意見をもとに考えるのが基本ですが、アンケートには「お願いしたくてもできなかった」という声が多数寄せられました。

興味深いのは、配慮をされなかった結果ではなく、「配慮の前に、お願いができなかった」という現状です。
以下のような例を紹介します。
「忙しそうな上司や同僚に配慮をお願いするのは気が引けた

  • 「体調のことを言い出しにくかった。一度お願いしたことを断られたら、もう言えなくなった
  • 「時短勤務を申し出たかったが、“嫌がられるのでは”と感じた
  • 「相手が聞く耳を持ってくれない。まともな回答がなく、相談のしようがなかった」
  • 「精神障害は見えないから、“何に困っているか”を言葉にするのが難しかった

特に精神・発達障害など「見えにくい困りごと」は、本人が気持ちを言語化するのがそもそも難しいケースがあります。

そのため、企業側に求められるのは一度で終わりせず、定期的に聞き取りをする姿勢や、相談窓口を作り、早いレスポンスをするなど工夫が必要です。

本人が「言いにくい」と聞くと、単なるわがままに捉えがち。しかし、そうではなく「できるだけ迷惑をかけないように」「クビになりたくない」という、これまでの経験から自分を守っていると考えれます。

合理的配慮は、一方的ではなく対話のバランスが成り立つもの

アンケートの最後に印象的だったのは「配慮をお願いする自分たちも、節度と理解を持って社会と向き合う必要がある」という声でした。

冷静でバランスの取れた声にポジティブな印象を受けました。

  • 「社会全体を完全にバリアフリーにするのは、現実的ではない。だからこそ“どこで折り合うか”を考える必要がある」
  • 「お願いする側も、相手の状況を考えて節度を持つべき。合理的配慮をお願いすることは、交渉であり、対等な対話」
  • 「遠慮しすぎも、わがままも違う。お互いが人間として理解し合える関係性が重要」
  • 「合理的配慮は『一方的な義務』ではなく、双方にとって無理のない形を探る行為だと思う」

当事者からも、対等な関係性を築きたいと願っていることがわかります。法律上、「過重な負担でない限り配慮は義務」とされていますが、現実は「できること」「難しいこと」があります。

率直なやりとりを重ねながら、少しずつ合理を合わせていけば、無理のない企業づくりができます。

編集部よりー節度ある姿勢、生の声を届けるー

今回のアンケートでは、回答者に対して、多くの質問事項がありました。

最後の問いは「編集部に伝えたいこと」でした。そこにいくまでの質問は、合理的配慮のメリット、デメリットへの率直な意見を書いてもらうことが中心でした。

改めて「伝えたいこと」を考えるとき、編集部を通して社会に発信したいことだで明確になったことがあります。

それは「互いの対話」と、「対等な関係を築いてほしい」という願いです。現実と折り合いをつけながら、社会と関わるきっかけを失いたくない気持ちがアンケートから伝わってきました。

社会で活躍するには声を上げ続けることが重要ですが、企業側と当事者が素直に対話をすることで、法律や制度以上の結果を築くことができ、合理的配慮の土台を作ってくるのではないでしょうか。

 

▼Co-Co Life☆女子部公式HPの障がい当事者向け「合理的配慮」アンケート記事
▼「合理的配慮」について、おおごだ法律事務所の大胡田誠弁護士とココライフ女子部代表遠藤Pによる対談