元山 文菜(Co-Co Life☆調査部 調査員)の分析
「障がいを持っている人の恋愛はどうなっているのだろう?」日々、生活を送るなかで「障がい者は恋愛に消極的で恋愛パートナーがいる人も少ないのではないか」という印象を持たれているように感じる機会が多くあります。
ただ、今回調査したCo-Co LIFE☆女子部サポーターは、約半分にパートナーがいらっしゃいました。現在パートナーがいない方たちも積極的に恋愛をしたいと考えている割合が86.7%を超えています。世の中で思われている障がい者に対する恋愛観との間に大きな違いがあるのではないでしょうか。
とはいえ、障がいをコンプレックスに感じている人は82%おり、恋愛をするための活動をしている人の割合も23%と低くなっています。
積極的に恋愛をしたいと考えながらも、障がいをコンプレックスに感じて一歩を踏み出せない人が多いという状況になっている可能性が高いです。
コンプレックスに感じている理由についての回答を見ると、その理由は大きく3つに分類することができます。
まず、第一は「出かける時もバリアフリーのとこを探さないといけないから。体力の関係で普通のデートができない。手足が不自由で生活全部が全介助なので。ヒールが履けないからオシャレの幅が少ない。また足を曲げられないので性生活ができない。」など、障害の状態により物理的に出来ないことがあり、それが障壁となりコンプレックスにつながっている。
第二は「障がいがあることで発言や行動を誤解されたことがある。障害を理由に振られたり、相手のご両親から認められなかったりしたから。障害を打ち明けると連絡が取れなくなったり、デートで杖を見て戸惑われて誘われなくなった。」など、障がいに対する偏見や先入観が原因となり辛い経験をしたケース。
最後は「こんな自分を理解してくれるのかという不安。普通の人より劣っていると思うから。一緒にいて恥ずかしい思いをさせるかもしれないから。」という漠然とした不安を抱えているパターンが多くありました。
まずは、物理的に超える障壁に関してそれらを解決するために具体的にどのような制度や支援を明確にして改善しいくことは、今後だれもが暮らしやすい社会になっていくためにも引き続き取り組むべき社会課題だと感じます。
同時に、まだまだ障害者への理解が乏しいために偏見が残っていることも今回の調査で浮き彫りになりました。同時に、当事者も自分自身を差別や偏見の目で見ていないのかを今一度考えてみることも恋愛の障壁を取り除くという意味では重要なのかもしれないと感じました。
次回は、交際中または既婚者の恋愛調査を実施して、その意識にどのような差があるのかもみていきたいです。